アスリートのための栄養学

喉が渇いてからでは遅い!アスリートの水分摂取はパフォーマンス維持のカギ!

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水分摂取
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喉が渇いてからでは遅い

「のどが乾いたら水分を摂取する」これ当たり前ですよね。ですが、のどが渇いたという状態では既に遅いのです。「もう体の水分が少ないですよ!」というサインが出ている状態であり、この時点でパフォーマンスは落ち始めています。

パフォーマンスを維持するためには、水分の不足状態をつくらないことです。その方法をお伝えしていきます。

こちらの記事は管理栄養士(国家資格)である広瀬陽香 (ひろせはるか)が書いています。大学で栄養学について学び、卒業後は女子アスリート寮で寮母として献立作成、食事提供、アスリートのメンタル面でのサポートをしていました。現在はアスリートが多数訪れる東大阪市のやまぐち整骨院にてアスリートと携わっております。最近暑くなってきたので少しここでタイムリーな話題を!水分摂取についてです!意識して摂らないと意外と足りていなかったりするかも…?ぜひ確認ください。

管理栄養士 広瀬陽香

水分を制する者が戦いを制す

水分摂取の話の前に、まずは水分について知りましょう!ここをしっかり理解することで水分摂取の重要性を感じることができます😊

  • 血液の一部として栄養素・酸素を全身に運ぶ
  • 体温調節(特に重要!)

水分は栄養素・酸素を全身に運ぶ

水分を含む体液の1つに血液が挙げられます。

そして血液というのは、栄養素・酸素を運ぶという役割も担っているのです。

水分不足により、自分のパフォーマンス向上のために取った栄養素や酸素が全身に行き渡らない...なんてことないようにしたいですよね。

体温調節のカギを握る水分

水分摂取による体温調節については特に注意してほしいことです。

これはとっても危険な熱中症などとも関係してきます。

アスリートのように体を目いっぱい動かすとなると、その発汗量は非常に多いものとなります。それだけ、体温を外に逃がそうとしている証拠です。

しかし、そのもとになっている水分が不足すれば、当然汗をかけず、熱が体の中にこもっていき熱中症を引き起こす可能性が高くなります。

熱中症による死亡事故の報道は毎年目にします。防ぐことができたことだと思うと本当に悲しくなります。水分摂取を甘く見ないことです。(熱中症については種類もあり、もう少し詳しくお話したいのでまた書きます!)

ここまでなってしまわなくとも、水分摂取が上手くできないことにより、脱水症状として脱力感・頭痛・吐き気・めまいなどがでてきてしまいます。

こうならないためには、量とタイミングを考えた水分摂取を行うことが必須です。

あなたに必要な水分を把握しよう

まず、一般人であれば、1日当たり約1200 mlの飲料による水分摂取が必要です。

その理由として、水分摂取は排出量と同じ量を摂取することを基本としているからです。以下の表を見るとわかるように1日の排出量は約2500 mlであり、食品から得られる摂取量は約1300 mlで、その差である1200mlを飲料から摂取する必要があるのです。

摂取排出
飲料水:1200 ml尿:1500 ml
食物中の水分:1000 ml糞便:100 ml
栄養素を分解するときにできる水:300 ml呼吸・皮膚:900 ml

皆さん、普通に生活する中で1日1200 ml飲めていますか?案外意識していないと飲めていないと周りからの声で聞いています。まずは、500 mlのペットボトルを2本は飲むように意識づけましょう。

次に、アスリートであれば、上記の一般人の必要量に加え、運動時間1時間当たり約500 ml~1000 mlの飲料による水分摂取が必要です。

その理由としては、アスリートの発汗量が1時間当たり500 ml~1000 mlであり、発汗量と同じ量を摂ることで体温の上昇を抑えることができるからです。

どうですか?この量、運動中に摂取できていましたか?「1回の運動で」と言われると、摂れているかもしれませんが、「1時間で」となると中々難しそうです。

オフの日や休暇中など普通に生活する時に関しては、一般人の水分摂取量を目安にすればよいでしょう。

タイミングを見誤ってはならない

まず、一般人であれば、起床時・就寝前・食事やそのあと(3食ごと)・入浴の前後などいつもの生活にくっつけてしまって下さい!それが習慣化への第一歩です!!

次に、アスリートについては、1時間当たり200 ml~250 ml(コップ1杯)の水分摂取を2~4回にわけて、合計約500 ml~1000 mlになるように飲むイメージです。

その理由としては、以下の3つが挙げられます。

  • 余剰分が尿にでてきてしまう

一度にたくさん飲むことで、吸収しきれなかった余分な水分が尿に出ていってしまいます。これでは体温調整するための水分摂取の意味がありません。

  • 消化不良の原因にも

のどが渇いているとがぶ飲みする傾向があります。そうなると、そのあと動きにくくなったり消化液が薄まってしまいその後の食事の消化が上手くいかないということにもなりかねません。1度に過度な量を摂取することは消化不良の原因にもなるということです。

また、運動前には、250 ml~500 mlを1回~2回に分けて飲むのが良いでしょう。

これは、運動前に十分に体を潤しておくための水分を摂取する必要があるからです。

上でも話したように、量だけでなくそのタイミングも重要になってきます。必要な量をただただクリアできれば良いというわけではありません。

こまめに水分摂取を行うことが、効率の良い水分摂取となります。但し、同じ水分でも砂糖の多いような飲み物は避けましょう。(また詳しく説明します!)

これらを実践することによりパフォーマンス維持が可能になります。

まとめ

喉の渇きを感じる前にこまめな水分を摂取

→不足状態をつくらないことができます。

アスリートは、1時間あたり2~4回に分けて合計0.5~1.0 Lになるように摂取

→余剰水分が汗以外で排出されなくなり、体に水分が十分に行き渡ります。

ぜひ、実践し習慣にしていきましょう!長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回は、水分の大切さや量・タイミングについてお話いたしましたが、次はその水分摂取の内容(スポーツドリンクや水以外の成分を含む必要性など)についてお話していきたいと思います😊

[参考書籍:新版コンディショニングのスポーツ栄養 樋口満 9章水分補給p114~126】

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