どんな食事がいいの?アスリート食を知りたい方必見!part1
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アスリートが摂るべき食事
この情勢で、練習や試合もなくなり家に居る時間もかなり長くなっている事かと思います。運動量の減少に加え、心配なことは食事摂取についてです。
自由な時間が増え、そのぶん好きなものを好きなだけ食べ、いざ部活動が始まった時に「体が重い…」「動きが鈍い。」「体が思うように動かない!」ということになりかねません。様々な公式戦や練習試合が中止や延期になったり、練習もできず中々モチベーションを保つことが難しい状況ではあります。
ですが、こんな時だからこそもう一度自分の体や食事について見つめ直してみませんか?
アスリートの食事ってどんなの?何を食べたらいいの?様々な疑問があると思います。自分はどんな食事をすればよいのか?それを知り、力を最大限に発揮できる体を手に入れたい!!この記事でそんな思いを持つアスリートの力になりたいと思います。
特に自分の食事を気にしてこなかった方はこれを機に自分の食べるものについて考えていきましょう!もう既に実践していらっしゃる方も今一度、ご自身の食事と照らし合わせて確認して頂ければと思います。
こちらの記事は管理栄養士(国家資格)である広瀬陽香 (ひろせはるか)がかいています。大学で栄養学について学び、卒業後は女子アスリート寮で寮母として献立作成、食事提供、アスリートのメンタル面でのサポートをしていました。現在はアスリートが多数訪れる東大阪市のやまぐち整骨院にてアスリートと携わっております。勤めていた寮でも、1食で何を食べれば良いのかという質問もよくでていたので記事にしてみました。これを見て選手自身で食の選択ができるようにして頂ければと思います!
管理栄養士 広瀬陽香
この記事を読むと何がわかる?
- アスリートにとっての食事の役割
- どんな食事をすれば良いのか
- 何の栄養素が体の中でどんな働きをしているか【主食・主菜】
アスリートにとっての食事の役割
まず、アスリートにとっての食事とはどういうものなのかについてです。
- トレーニングによる体づくりを効果的にする(筋肥大・骨格強化)
- 試合にピークを合わせる
- ケガの予防、改善 等
どれだけトレーニングをしても、材料がなければ筋肉はつきません。その材料が食事であるということです。
また、疲労が残ったままや体調を崩した状態で大事な試合などに100%の力を発揮できますか?その疲労を回復したり、体調を崩さないようにしピークをしっかり本番に持ってくる1つの手段としての役割もあります。
ケガをしてしまうことで練習から離脱せざるを得ない状況になってしまうのは勿体ないことです。防ぐことのできるケガは防ぎたいですよね。そして、もしケガをしてしまった場合でもできるだけ早く治したいと思いますよね。腱、骨、筋肉など体の様々な組織は食べたものからできています。なので、食事を適切なものにすることで、けがをしない体づくりであったり負傷したところをできるだけ早く治す助けになるのです。
どのような食事を摂れば良いのか
では、上記の事を実現するための食事とそれらを摂ると体の中でどう働くのかをみていきましょう。
メディアなどで特集されたり、巷でダイエット向けに流行ったりというものがあると思います。ですが、何か効果があるとして、それだけに特化して1つの食材だけを食べるという事はバランスの崩れた食事であるということを知っておいて頂ければと思います。
前提をお話ししたところで本題にいきましょう。
アスリートの食事とはずばり、バランスの良い食事であると私は考えます。この言葉日常でもよく耳にしませんか?アスリートの食事というのは特別な食事ではないということです。
ではバランスの良い食事とはなんでしょうか。それは、自分のパフォーマンスを最大限に引き出すための助けになるものだと思います。簡単にそれを表現するとすれば、主食、主菜、副菜、乳製品、果物が1食で揃っているという食事です。この主食、主菜…という言葉は聞いたことがありますか?中には「なんとなくはわかるけどはっきりとはわからないなぁ」という方もいるかも知れません。
ここでその分類、そこに期待される栄養素とそれらが体の中でどのように働くのかについてみていこうと思います。
体の中でどのように働くのか
主食(主に糖質、一般に炭水化物)
主食はご飯、パン類、麺類、餅、ジャガイモなど食事の主となるものです。体が車のボディとすれば、主食はガソリンにあたります。体を動かすためのエネルギー源として大部分を占めています。当然ガソリンがなければ体はうまく動きません。
- 主食をしっかりとらないと体重は増えない
- 筋肉の分解を抑える(筋肉量の減少を抑える)
- 疲労回復への期待
アスリートは一般の人に比べ消費エネルギーが多くなっています。主食はその消費量分をカバーする中心となる食品類です。体重増加には摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る必要があります。そこで主食(糖質)から十分にエネルギーを摂る必要性が出てきます。
また、筋肉量を増やすことがアスリートにとっての体重増加になりますが、それにも糖質は関係しています。ヒトの体というのは糖質の不足によりエネルギーが足りなくなると筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。なので主食を十分にとることで筋肉の分解を抑えることができるのです。
タンパク質や脂質にもエネルギーはあり、脂質では糖質・タンパク質以上に1g当たりのエネルギー量が多くなっています。
それでも糖質を主とする食事を勧める理由は、疲労しない体をつくるためです。
ここでカギになるのは、筋グリコーゲンというものです。筋グリコーゲンは糖質(グルコース)が筋肉に貯蔵される時の形でありこれが運動時に筋肉のエネルギーとなって使われ、不足・枯渇すると疲労に繋がります。
また、三大栄養素の中でも糖質のみ酸素のない状況下でもエネルギーを作ることができます。そういう点でも、エネルギー源として最も大切な栄養素と言えるでしょう。
しかしながら、貯められる量は限られているので激しいスポーツではすぐに枯渇してしまいます。よって、主食は毎食しっかり摂る必要があります。
主菜(主にタンパク質)
主菜は、魚、肉、卵、豆・豆製品、乳・乳製品などメインとなるものです。タンパク質と聞くと筋肉が真っ先に頭に浮かぶのではないでしょうか?それは正しく、ボディをつくる材料になります。ボディがしっかりしていなければ、うまく活動することはできません。
- 筋肉を作るもとになる
- 細胞、組織を構成する主成分
- 体温を上げる
タンパク質は筋肉のもとになる。これはきっとほとんどの方がご存知だと思います。タンパク質は筋肉を合成する主な栄養素となります。(タンパク質だけではありませんが…)
他にも体の中の内臓、骨、代謝や、エネルギー代謝をサポートする酵素、免疫反応に必要な抗体や細胞など体の中の様々な組織はタンパク質からできています。筋肉だけでなく、人が生きていく中で必要不可欠なものをつくりだすための主成分にもなっているということです。
また、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の中で1番体温をあげるのはタンパク質です。朝は体温がさがっていますよね。寝起きに「寒っ!」という経験ありませんか?そこでタンパク質を朝からしっかり摂ることで体温があがり、身体が動きやすくなります。
タンパク質の特徴として、糖質や脂質とは違い体内に貯蔵ができないということが挙げられます。
体内で合成と分解を繰り返しているので、毎食適切量をとることで、効率よく摂取できるようになります。
またタンパク質には、動物性(肉・魚・卵・乳製品)と植物性(豆・豆製品)があります。どちらかにだけ偏らず3食でバランスよくとっていきましょう。それがタンパク質の力を引き出すコツになります。(長くなってしまうので、また詳しく記事にします。)
●タンパク質を多く含むような動物性食品には、脂質もついてくることが多いです。脂質と聞くと敵のように感じあまり良いイメージではないのかもしれません。ですが脂質も大切な栄養素の1つです。
- 食事から摂る必要性の高い脂肪がある
- 生体膜、ホルモンなど体内で重要なものを構成する
- 効率よくエネルギーを摂取できる
中性脂肪の構成成分である脂肪酸の中には体内でほぼ合成できないものがあり、それを必須脂肪酸と呼び、動脈硬化の予防、炎症抑制などの作用を持ちます。
また、生体膜やホルモンは人が生きていく中で必須なものですがそれも脂質をもとに作っています。そして、アスリートは多くのエネルギーを必要とすると言いましたがそれを賄うとすればその食事の量はかなり多くなってしまいます。
そこで1g当たり糖質やタンパク質の倍のエネルギーを持つ脂質を上手く取り入れることで、量を抑えることができます。脂溶性ビタミンの吸収も高めるという効果もあるので、上手くつかえば味方になる栄養素です。ですが、余分な脂肪(ファストフードやコンビニでの揚げ物の購入など)は控えるようにしましょう。
長くなってしまうので、2回に分けます!次回は、副菜・乳製品・果物について。そして、実際の食事例について見ていきます。[part2に続きます。]
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