アスリートのための栄養学

摂れば摂るほど良い?タンパク質は均等摂取が重要

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タンパク質を知って使いこなす

みなさんの中でタンパク質はどのような位置づけですか?またどのような役割や特徴があるかご存知でしょうか?

タンパク質=筋肉ということだけを知っているため、必要な量も分からず、その栄養素だけを重点的に摂取しているというアスリートも少なくありません。

この記事では、そんなアスリートに効率的なたんぱく質摂取の方法をお伝えしたいと思います。

こちらの記事は管理栄養士(国家資格)である広瀬陽香 (ひろせはるか)がかいています。大学で栄養学について学び、卒業後は女子アスリート寮で寮母として献立作成、食事提供、アスリートのメンタル面でのサポートをしていました。現在はアスリートが多数訪れる東大阪市のやまぐち整骨院にてアスリートと携わっております。身近にいるアスリートの方も、タンパク質はとるほどに筋肉が合成される!と思っていたり、筋肉の材料というところだけが1人歩きし、曖昧に理解していることも多いところでもあります。適切な摂取のために知識をつけましょう!

管理栄養士 広瀬陽香

タンパク質の特徴を知る

  • 体の多くの構成成分
  • 貯蔵ができない
  • 過剰分は尿や脂肪に
タンパク質は、筋肉の材料だけではありません。

爪・髪・皮膚・骨・靭帯・腱など体の一部を構成する構造的な役割(ご存知のコラーゲンもタンパク質です)と

酵素・ホルモン・ヘモグロビンなど体内の調節機能物質の材料にもなり、機能的な役割も持ちます。非常に幅広く利用されていることがわかります。

効率的な摂取方法

タンパク質は、他の三大栄養素の糖質や脂質に比べ、貯蔵ができないという特徴を持ちます。

これが何を意味するか。

毎食均等に摂る必要性がある。ということです。

どこかだけを多くしたり、少なくしたりというのは効率が良くありません。 常に一定のアミノ酸濃度を保つことが、効率の良い筋合成のカギです。

それには、まず毎食均等に摂ることです。何度も言いますが重要なので…‼

毎食の量について

では、具体的にどのくらいとればよいのでしょうか?アスリートと一般人のたんぱく質量の差は?

アスリートって聞くと一般人の倍は何でも摂らないと!なんて意識なっていませんか。意外とそこまで多くはないんです。

1日のたんぱく質量

  • 一般人 

1日=1g/kg体重

つまり、体重60kgの人の場合、60g/kg体重

  • スポーツ愛好家

(週に4~5日の30分程度のトレーニング)

多くて1日=1.1g/kg体重

今の体重に1.1gをかけてください

  • アスリート 

(持久性や瞬発力・筋系競技や期分けによりますが)

少なくて1日=1.2g/kg体重

多くて1日=1.7g/kg体重

最大でも1日=2.0g/kg体重

今の体重にそれぞれのg数をかけて下さい。

現時点の報告では、多くても一般人の2倍はいかないのです。ここ押さえておいてください。

基本的に2g/kg体重以下の摂取で問題は起きません。

(*但し、推奨たんぱく質量に関する最新の知見ではさらに増える可能性も示唆されています。また、確実になればお伝えいたします。)

具体的な食事に置き換えると

一般人:体重60kg 1日60g/kg体重の場合

毎食、ご飯(150g)1杯と主菜(肉・魚)1品もしくは、主菜(卵と豆製品)で十分です。乳製品もバランスよくとってみて下さい。

アスリート:体重70kg 1日112g/Kg体重の場合

毎食、ご飯(200g)2杯~3杯

主菜(肉・魚)+主菜(納豆・卵・豆腐)から1つずつ

+(牛乳・乳製品)を1つ

主菜2種と牛乳・乳製品1種で十分です。やたらとたんぱく質量を摂る必要はないのです。

たんぱく質量だけに焦点を当てた場合の話です。これだけで食事が完璧ということではありません。色々な食材が体には必要です。

安易にプロテインにはしっていませんか?

プロテインを使用することがだめなわけではありません。大事なのは、今の自分に必要なのかを見極めてから使用するか決めることです。今の食事で自分に必要なたんぱく質量が取れているのかどうかということです。

夏バテでどうしても固形物が入っていかない。時間がない。胃腸の調子が良くない。等々、食事から摂取することが難しい場合の使用は良いと、私は思います。食事の代わりではなく食べられない場合の緊急措置のようなものです。

摂取のタイミング

運動後の速やかなたんぱく質摂取(消化吸収に4~5時間かかるので)に意識をもっていきすぎるよりも長時間にわたるアミノ酸濃度の一定にすることが大切です。

例えば、練習後にすぐプロテインを摂取。

その後、30分ほどで家もしくは寮につき夜ご飯。そこでも十分量のタンパク質を摂取するとなるとプロテインのたんぱく質量を加えると過剰になると思います。

ここが重要

これが、4~5時間あくとなるとまた別の話ですが、そうでない場合は 練習後のプロテインに意識をもっていき過ぎることよりも、練習前の糖質の摂取による分解の抑制や、その練習後の食事(必要なたんぱく質量やその質)を大切にすること。

常に血中のアミノ酸濃度を一定に保てるような食事を意識するべきではないでしょうか。

即効性のあるアミノ酸は、タイミングによってはありだと思います。

筋トレの場合は、トレーニング前後でタンパク質摂取するようにしましょう。これも筋トレ後すぐにタンパク質が十分な食事をするのであれば良いのですが。

  • 運動前の摂取➡タンパク質消耗の減少をはかる。
  • 運動後の摂取➡筋合成のためのアミノ酸供給の目的として。

タンパク質を過剰に摂るとどうなるのか

タンパク質は過剰に摂りすぎると、それを処理する臓器である肝臓・腎臓の負担が増えていきます。肝臓は様々な栄養素を人体に役立つように処理する臓器です。

ここが疲弊すると、体の機能が落ちる1つの要因にも。肝臓は数ある臓器の中でも非常に多くの仕事をする重要な臓器なのです。

また、1回に筋肉合成に使われる量は決まっています

決して、摂ればとるほど良いということではないと頭にいれておいて頂きたいなと思います。

そして、過剰に摂ったぶんは脂肪になったり、尿へとでていきます。これではなんのためにとっているかわかりません…。適切な量が大切です!!

少し難しい話ですが…

動物性のタンパク質を多くとってしまうと動物性タンパクには含硫アミノ酸が多いので

それが原因で尿が酸性化してしまったり、Caの再吸収が抑制されて尿にでてくることで、尿路結石や骨粗鬆症の可能性もあります。

少し難しい内容も入りましたが、以上がタンパク質のお話です。ご自身の中のタンパク質のイメージや位置づけ、概念と比べてどうでしたか?

大切なのはむやみやたらに摂るのではなくまず、自分の必要な量を知ることです。そして摂取のタイミングです。

タンパク質は2週間、連続的に摂取しなければ、体タンパク質合成は高めることは難しいとされています。

まずは、ここで知った量を2週間続けてみましょう。

また、タンパク質は運動の有無にかかわらず、それぞれに合わせた適正量を毎食摂るべきです。

今回はタンパク質や筋肉について特にピックアップして話しましたが、アスリートの体重増加についての大きな話はこちらになります。

また、タンパク質の中身=質についてもみていきましょう!質の話は今度にしたいと思います。知って自分で考え、実践していきましょう!何か相談があればのります。

また、私が勤めるやまぐち整骨院や、やまぐちスポーツ整骨院では体に様々な悩みを抱えるアスリートが小学生から大学生、社会人までこられております。そこでも、準備が整い次第、栄養指導していく予定です。

ご興味がある方は是非、お越しくださいませ。

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